Visa、Mastercard、JCBに代表されるクレジットカードのブランド。
はじめてのクレジットカードではブランドに迷っている方も、既に複数枚のカードを持っていて漠然と使っているという方も。
クレジットカードのブランドとその選び方を見ていきましょう。
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Contents
国内ブランドと国際ブランド
クレジットカードには国際ブランドと国内ブランドがあります。
Visa、Mastercard、JCB等、よく目にするロゴは国際ブランドで、世界中の加盟店で利用することができます。
いっぽう、三井住友カード、楽天カードといったブランドは国内ブランドで、日本国内の加盟店であれば利用可能です。
基本的に、国内ブランドのカードは国際ブランドと提携して1つのカードが複数のブランドに対応しています。
利用者の観点では、両者を区別して利用する必要はほとんどありません。
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国際ブランド
国際ブランドには、Visa、MasterCard、JCB、American Express、Diners Clubの、俗に言う5大ブランドが存在します。
2015年時点、Visaが決済金額シェアの半分以上を占め、ついでMasterCardが3割程度を占めています。
アメックスやダイナースクラブは数字こそ低めですが、数を追わない戦略で、ステータスとしての存在感があります。
最近はこれに躍進著しい銀聯(ぎんれん、UnionPayとも)を加えて6大ブランドとすることもあるようです。
JCBは日本初のブランドですがれっきとした国際ブランドで、ハワイ等日本人の多い地域では強い威力を発揮します。
ランキング | ブランド | シェア(合計) | シェア(クレジットカード) | シェア(デビットカード) |
1位 | Visa | 55.52% | 35.50% | 20.02% |
2位 | MasterCard | 26.27% | 13.14% | 13.13% |
3位 | 銀聯(UnionPay) | 12.79% | 6.79% | 6.00% |
4位 | American Express | 3.21% | - | - |
5位 | JCB | 1.23% | - | - |
6位 | ダイナースクラブ/ディスカバー | 0.98% | - | - |
参考までブランドごとのクレジット決済とデビット決裁の内訳を見ると、デビットカードの割合が半分に迫る勢いとなっています。
日本ではまだデビットカードは普及が進んでいませんが、世界で見ると銀行のキャッシュカードが初めからデビットカードの機能を持っているケースも多く、クレジットヒストリーが無くても利用できる便利な決済手段として認知されています。
この中で、American Express、ダイナースクラブおよびJCBはT&Eカードと呼ばれるジャンルに属し、自身がカードを発行(いわゆるプロパーカード)しています。
T&Eカードは「Travel & Entertainment」、つまり旅行や娯楽を目的としたもので、航空会社・旅行会社、ホテル、レストラン、劇場やアミューズメント施設などの分野に多くの加盟店を持つクレジットカードを指します。
特にAmerican ExpressとDiners clubは、ある程度収入の高い層向けのステータスとして位置づけられており、審査も厳しく年会費も高めとなっています。
それでも海外旅行では高級ホテルでの割引サービスや空港のラウンジサービス、保険などの特典を受けることができるため、所有者は少なくありません。
一方のJCBは入会審査や年会費は他のVisaやMasterCardと同クラスですが、国内ならクレジットカードが使える店舗はほぼ対応しています。
また、ハワイや韓国といった日本人に人気の観光エリアでの対応店舗も多く、またマイレージ特典やレンタカーでの割引など、サービスも充実しています。
VisaやMasterCardは決済を主な目的としたもので、自身ではカードは発行せず、提携会社が提携カードを発行する形式を取っており、こうしたサービスは提携会社によって特色が異なってきます。
上位と下位でシェアが大きく異なるのはその位置づけが異なるためで、単にシェアの大小で比較すべきものでもありませんが、やはり使える場所が多いというのは魅力。
いくつかのブランドのクレジットカードを組み合わせて使うのがお勧めといえます。
国内ブランド
クレディセゾンの決算発表資料によると、2015年度時点でのカードショッピング取扱高での国内ブランドシェアは下記の通り。
国内ブランドは、対応店舗をよく見るとアイコンが表示されていたりして、UC、DC、楽天カード、TS3などは良く見かけられます。
ただし、ほとんどのカードはVisa,MasterCard、JCB、American Expressといった国際ブランドと提携しており、国内でも国内ブランドを気にして利用することはほとんど無いでしょう。
ランキング | 運営会社(代表ブランド) | シェア | グループ内訳 |
1位 | クレディセゾングループ (UCカード) |
15.1% | 出光クレジット セブンCSカード 髙島屋クレジット りそなカード 静銀セゾンカード 大和ハウスフィナンシャル |
2位 | 三井住友FG (三井住友カード) |
14.8% | 三井住友カード セディナ ポケットカード |
3位 | 三菱UFJ (DCカード) |
14.1% | 三菱UFJニコス(JALカード含む) ジャックス |
4位 | 楽天カード | 9.1% | |
5位 | イオンフィナンシャル | 9.0% | |
6位 | JCB | 7.7% | |
7位 | トヨタファイナンス | 5.4% | |
8位 | VIEWカード | 3.6% | |
9位 | オリコ | 3.4% | |
10位 | エポスカード | 2.6% | |
11位 | MIカード | 2.3% | |
12位 | セブン・カードサービス | 1.5% | |
13位 | アプラス | 1.3% | |
- | その他 | 10.2% | 地銀FC・BC |
参考:2016年度 決算説明会 - クレディセゾン - セゾンカード
Visaはシェア半分を超える超有名ブランド
Visa(ビザ)はシェアおよび加盟店舗数No1のクレジットカードブランドです。
クレジットカードを持つ時、ブランドに悩む場合はVisaにしておけば間違いありません。
なお、ロゴマークは大文字表記の「VISA」となっていますが、社名やブランドはVisaと表記されるのが普通なようです。
Visa自体はカードを発行しないため、提携カード会社がVisaブランドの基本機能に独自のサービスを付加してカードを発行します。
Visaでは、クラシック、ゴールド、プラチナといったクレジットカードに加え、デビットカードやプリペイドカードも取り扱っています。
その普及度の高さから、海外旅行でのクレジット決済やキャッシングが最大の魅力。
セキュリティの面から、ネットショッピング向けのVISA認証サービスや、日本での普及はこれからですが、Visa payWaveという非接触方式での決裁も期待大です。
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MasterCardはシェア3割近いVisaに次ぐ有名ブランド
MasterCardはVisaに次ぐ世界シェアNo.2の国際クレジットカードブランド。
NILSON REPORT 2015によると、全世界のブランドごとの決裁金額(デビットカードを含む)で3割に近く、3位以下に大きく水を開けています。
利用シーンの広さから、クレジットカードを作る時に時ブランドに悩む場合は、MasterCardにしておけばまず間違いありません。
MasterCardは、スタンダード、ゴールド、プラチナといったクレジットカードに加え、プリペイドカードも取り扱っています。
Visa同様、その普及度の高さから、海外旅行でのクレジット決済やキャッシングが最大の魅力。
セキュリティの面から、ネットショッピング向けのSecureCodeや、日本での普及はこれからですが、MasterCardコンタクトレスという非接触方式での決裁も期待大です。
2017/9/22追記 iOS11でのアップデートで、Apple PayでMasterCardコンタクトレスが利用可能となりました。
ただしカードごとの対応状況はまちまちで、au WALLETはプリペイド・クレジット両方対応、オリコカード系も対応、dカードは検証中の模様。
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JCBは旅行などでの割引や特典が魅力
JCB(Japan Credit Bureau)は世界シェア5位の日本初の国際クレジットカードブランド。
NILSON REPORT 2015によると、全世界のブランドごとの決裁金額(デビットカードを含む)ではAmerican Expressの3.21%に次いで、1.23%というシェアを持っています。
JCBでは、一般、ゴールドといったクレジットカードに加え、デビットカードも取り扱っています。
セキュリティの面から、ネットショッピング向けのJ/Secureという認証サービスや、国内向けのQUICPay・海外向けのJ/Speedyという非接触決済方式も展開しています。
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便利でお得、QUICPayについて知っておくべきこと
Apple Payの日本導入も手伝い、タッチで支払いが可能な電子マネー QUICPayの普及が進んできました。 おサイフケータイユーザ向けのポストペイ型電子マネーという位置づけでしたが、プリペイドカー ...
2017/9/22追記 iOS11でのアップデートで、Apple PayでJ/Speedyが利用可能となりました。
世界で見れば銀聯(Union Pay)にも抜かれ、世界中どこでも使えるかというとVisaやMasterCardのような万能感はありません。
特にハワイ、韓国、北米など、日本人の旅行客を対象とした、海外での日本人向けサービスは他にはない安心感があり、VisaやMasterCardと単純に比較すべきではないでしょう。
JCBはいわゆるプロパーカードも発行していますが、各提携カード会社がJCBブランドの基本機能に独自のサービスを付加してカードを発行する型式もあります。
東京ディズニーランドのオフィシャルカードとしても有名で、毎年キャンペーンでチケットが当たったり、園内にもブラックカード会員向けの特別なレストランもあります。
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JCBは国内や人気エリアの海外旅行に強い国際クレジットカードブランド
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その他のブランド
American ExpressやDiners Clubも知名度が有り、特に海外旅行や出張においてはラウンジの利用、保険、ホテル等での優待など、様々なサービスを受けることができます。
ただし、いずれも数万円レベルの年会費がかかること、また審査が他のブランドに比べて厳しいこと(Diners Clubはさらに年収等の要件が厳しい)から、節約やお得といったテーマからは少し離れます。
American Expressは店舗側の手数料が高いと言われており、特に海外旅行時に、小さなお店だと少額の決済ではカードの利用を断られたり、手数料を別に請求されたり(カード会社はこうした対応を禁じていると言われていますが)、他のブランドのカード提示を求められることもしばしばあります。
まとめ:Visa、MasterCard、JCBを組み合わせよう
クレジットカードを作る時、はじめての1枚や、複数のカードを持ちたくない場合はVisaかMasterCardを選ぶと無難です。
複数のカードを作る場合は、ブランドを揃えて持つ理由はほとんど無く、ブランドが重ならないようにバランス良く持っておくことで、国内はもちろん、海外旅行や出張での利用時のリスク分散になります。
ポイント還元や各種サービスを活用しようとすると、どうしても複数枚のカードを持つ形になりますので、ブランドも複数に分けて持つことをお勧めします。
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