タッチで支払いが可能な電子マネー、 iDの普及が進んできました。
かつてはドコモのおサイフケータイユーザ向けのポストペイ型電子マネーという位置づけでしたが、近年は誰でも利用可能な便利なサービスになっています。
普及に力を入れている各社のオトクなキャンペーンも踏まえて、iDについて詳しく見ていきましょう。
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Contents
iD(アイディ)とは
iDは、NTTドコモが運営する決済(電子決済)サービスのブランドで、一般にはポストペイ型の電子マネーの一種とされています。
Apple Payの展開もあって利用シーンが増えてきましたが、Edy(エディ)と発音が似ているのでコンビニ等でよく聞き返されるのはご愛嬌。
FeliCaを採用したプラットフォームで、ドコモおよびドコモとの提携会社が発行するクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードのいずれかの会員向けのサービスとなっています。
例外として、ドコモの場合はドコモの携帯電話(おサイフケータイ対応機種)を契約していれば、「dカード mini」として毎月3万円までの限度額ながらiDを利用できます。
ちなみにサービス開始当初はレオナルド・ダ・ビンチの人体図が使用され独特な雰囲気でしたが、2015年ごろよりシンプルなロゴに変更されています。
参考:タッチでお支払 iD
iDの利用形態
もともとはおサイフケータイ向けのサービスで、クレジットカードでのポストペイ型電子マネーとして登場しました。
その後カード型のiDも登場し、現在では事前のチャージが必要なプリペイドカードや、銀行口座入金が前提となるデビットカードでの利用も可能となり、必ずしもポストペイ型とはいえなくなっています。
おサイフケータイ・Apple Payでの利用
ドコモのおサイフケータイ対応機種
iDに対応したクレジットカードを持っている場合、ドコモのおサイフケータイまたはApple Payでの利用が可能となります。
iDはもともとドコモの携帯電話(おサイフケータイ)から始まったサービスであり、FeliCa(モバイルFeliCa)を搭載した機種が対応となっています。
ドコモのスマートフォンをSIMロック解除して他社SIMで使う場合にもiDが利用できるようになりましたが、ショッピングサイトでネット決済を利用する場合に、spモード契約のある回線が必要になる場合があるとのこと。
また、iD/NFCとしておサイフケータイ対応機種「NFC(FeliCa搭載)」で、最新版アプリを設定すれば世界のMasterCardコンタクトレス対応店舗での決裁も可能になります。
(以前は「iD/PayPass」と呼ばれていましたが、2015年10月より「iD/NFC」に名称変更)
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おサイフケータイ対応のSIMロックフリー端末
iDは長らくFeliCa(モバイルFeliCa)を搭載したドコモ端末でのみ利用できるサービスでしたが、2016年よりAPN(Access Point Name)制限が撤廃され、原理的にはSIMフリー端末でもiDの利用が可能となっています。(SIMフリー端末では、dカード miniやdカードは利用できない)
iDアプリもGoogle Playでのアプリ配信が開始され、SIMロックフリー機種として量販店やMVNOなどで販売されるおサイフケータイ対応スマートフォンでも利用ができるようになりました。
ソニーモバイルコミュニケーションズのXperia、富士通(富士通コネクテッドテクノロジーズ)のARROWS、シャープのAQUOS、トリニティのNuAns NEOなどの一部のSIMフリー端末が対象となります。
残念ながらau・ソフトバンク(Y!mobile含む)のSIMロックを解除した端末は非対応となっています。
Apple Pay対応端末
iDは、AppleのApple Pay対応端末(iPhone6以降、Apple Watch等)でも利用可能になりました。
Apple Pay対応端末であれば、ドコモに限らずau、ソフトバンクでもキャリアを問わずiDが使えます。
Apple Payでのサービスはおサイフケータイとほぼ同等ですが、Apple Payはあくまでクレジットカードの機能を取り込むというコンセプトで、例えば対応機種上でのiDのサービスのみでクレジットカードが発行されないdカードminiなどは非対応となります。
その他端末
珍しいところでは、おサイフケータイ ジャケット01、wena wristもiDに対応しています。
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カード型
クレジットカード一体型
NTTドコモ、オリエントコーポレーション、三井住友カード、大和ハウスフィナンシャル、ペルソナなどが発行するクレジットカードの一部にはカードそのものにiD機能(FeliCa)が搭載されています。
このため、iDに対応しているおサイフケータイやiPhoneを持っていなくても、カードのみでiDを利用することができ、ドコモユーザ以外でもiDのメリットを享受できるようになりました。
また、iDに対応している機種を持っている場合は、クレジット一体型カード及び携帯電話の両方でiDを利用することもできます。
現在はドコモが提供するdカードがiDとして最もお得に利用できるカードで、特にローソン利用者には5%という破格の還元率となっています。
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デビットカード一体型
2017年7月より、三井住友カードが三井住友銀行と提携し発行するSMBCデビットカードにiD機能が搭載されました。
クレジットカードを持っていなくてもiDが利用でき、ポイントが貯まる代わりに0.25%のキャッシュバックがつきます。
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プリペイドカード一体型
dカードプリペイドは、プリペイドカードにiDの機能が付帯しています。
dカードと名がつくだけあって、利用額200円=1ポイント(0.5%)のdポイントが貯まるほか、dポイントカードとしての機能もあり見せるだけでもポイントの対象となります。
iDの利用方法
加盟店の専用端末に、対応機種またはカードをかざすだけでショッピングでの利用ができます。
プリペイド式電子マネーの場合は、楽天Edy・WAON・nanacoは5万円、Suicaは2万円とチャージの上限が決まっているため、必然的に小額の決済に限らますが、iDの場合はクレジットカードの利用枠の範囲において高額の決済も可能です。
iDは基本的にサインレスで利用可能と謳われていますが、利用額が一定を超える場合は、クレジットカードのIC(接触IC)による決済と同様に暗証番号を入力する必要があります。
Apple Payを中心に各種キャンペーンが展開されており、特にdカードは精力的にポイント還元率の増加やプレゼント企画が行われています。
参考:dカード キャンペーン
またiDをおサイフケータイで利用する場合、おサイフケータイ上からネット接続をしている場合に限り、ショッピングでの決済にも利用することができます。
ただし現状加盟店が限られておりあまり便利さは感じられず、キャンペーン等でお得になることも特に無いようです。
iDの安全性
iDの紛失・盗難時は、対応するクレジットカードの発行会社の取扱となります。
コールセンターでの対応で利用の停止が可能になっており、クレジットカードの安全性とほぼ同等の考えて良いでしょう。
プリペイド型の電子マネーと異なり、FeliCaそのものに価値が残っているわけではないので、楽天Edyのように紛失・盗難時のチャージ残高の保証が無いものに比べても安全といえるかもしれません。
おサイフケータイならICカードロック機能を事前に設定しておけば不正利用を防止でき、またおまかせロック機能搭載のスマホなら遠隔操作でのロックも可能です。
またApple PayではTouch IDでの指紋認証との組み合わせがデフォルトで可能になっており、クレジットカード型よりもセキュリティが高まるのもポイントです。
まとめ:iDは節約よりも便利さ重視で気軽に使う
iDは電子マネーの一種とされていますが、実態はクレジットカードやデビットカードそのものです。
楽天Edy、WAON、nanacoなどのプリペイド型の電子マネーでは、チャージと利用でポイントの二重取りが可能となっている一方で、iDはクレジットカードとしての利用のポイントが貯まるのみ。
共通決済端末の普及で、iDが利用可能な店舗ではほとんどプリペイド型の電子マネーも利用可能であるため、節約の観点では使いどころが少々難しくなっています。
それでも、チャージの手間が不要であること、高額の決済が可能であること、カードを持ち歩く必要がなくなることなど便利な側面も沢山あります。
節約にこだわりすぎず、便利さを重視する方にはおすすめできます。
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